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Music アーカイブ

2007年04月20日

New CD_001「Darn That Dream / Manuel Dunkel」

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我々が「ヘルシンキの良心」と呼んではばからないミュージックショップ、Digelius Musicへ行ってきました。相変わらずゆるめでマイペースな営業姿勢に、ほっと一息。ここはヘルシンキで最も心休まる場所のひとつです。で、例によって「最近何かいいのありますか?」的な会話の後に手渡されたのがコレ。1曲目「Cave」を2分ほど試聴したところで早くも親指立てて「買うぜ!」サインを送りました。
Manuel Dunkelはヴァンタ出身のテナー&ソプラノサックス奏者。コルトレーンをこよなく愛するストロングタイプのプレーヤーで"one of the strongest voices in the Finnish jazz scene"なんて言われてるようですね。といっても、ただひたすらゴリゴリと押してくるというわけではなく、そこは大人として引くべきところは引きつつ、ここぞと言う時には骨太なリッチトーンで吹きまくるという感じ。もう38歳ですから。
本作「Darn That Dream」は、彼が2005年に結成した新カルテットによる初アルバムで、かなり期待値は高かったようだが、おそらく多くの人が親指を立てる出来になったのではないだろうか。とりわけ印象に残るのは、Manuel Dunkelと3リズムのぴったりと息のあったアンサンブルの妙。とくにドラムスJussi Lehtonenとは、たがいのタイム感がよく似ているのだろう、最終曲「Contact」の中盤で聴かせるふたりの同時ソロ的アンサンブルでは、思わずキーボードを打つ手を止めて聞き入ってしまった。また、ともすればヒステリックになりがちなソプラノサックスを吹いても、決して神経を逆撫でるようなところはなく、ハートフルなトーンを響かせている。これが持ち味ですね。
小さめのクラブで、できれば彼のサックスから半径3m以内、生音が届くテーブルでライブを聴いてみたいと思う花冷えの宵でした。(jn)

2007年04月23日

New CD_002「The Sky Is Ruby / UMO With Juhani Aaltonen, Raoul Bjo¨rkenheim and Iro Haarla」

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Manuel Dunkel つながりというわけではないが、彼もセカンドテナーとして参加しているUmo Jazz Orchestraのニューアルバムは、3人のフューチャリングゲストのせいか、かなりプログレッシブな印象。いわゆる「前衛ジャズ」ではなく、あくまで「プログレッシブなジャズ」。う〜む我ながらわかりづらい表現ですね。
とりあえずお客様を紹介しましょう。Juhani Aaltonenは、ECMなどからジャズアルバムをリリースする一方で、クラシックオーケストラの録音にも参加するという御年72歳のサックス奏者。フィンランドではジャズメンといえど基礎的な音楽教育はクラシックという人がほとんどなので、さほど珍しくはないのかも。かたやIro Haarlaは故エドバード・ベサラの奥様にして音楽的なパートナーでもあったピアニスト。もともとは彼女もクラシック畑の出身なのだが、ベサラと出会ってからは夫唱婦随でワン&オンリーなジャズを創りあげてきた。そしてRaoul Bjo¨rkenheimはといえば、思い切り歪んだ音でエレキを引き倒し、やれロックだジャズだクラシックだとカテゴライズするのが虚しくなるようなオレ様ミュージックを展開するギタリストである。やれやれ。
この3人のゲストにビッグバンドジャズが絡むというのだから、表現がわかりづらくなるのも当然ですよね。聴く前は、カフェオレでシメサバ食うようなことになりはしないかと心配していたのですが、音楽的胸焼けを起こすこともなく、とても興味深く聴けてしまった。以前にも、フランク・ザッパトリビュートを出したかと思えば、次の年にカウント・ベイシーを取り上げるという「前科」のあるUMOですから、これくらいのミスマッチは楽勝なのでしょう、見事なほどに中身の濃い音楽になっています。
と言いつつ、言葉を重ねるほどにわかりづらいレビューになっていくような気もしてきました。つきましては、どうかあなた自身の耳で確かめて下さいますよう、お願い申し上げておきます。(jn)

2007年05月11日

New CD_003「Trio Tokeat /「One Night in Tampere」

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フィンランドジャズ界のエース、トリオ・トゥケアトの登場です。それにしてもこのトゥケアト、発音しづらい。日本ではトゥケアットとかも呼ばれていますが曖昧母音(「え」の口で「あ」とか「う」の口で「ゆ」って奴ね)の連続で日本人にはすこぶる覚えにくいバンド名であります。何回も来日しているし、ライブをお聞きになった方も多いかもしれません。ご紹介CDは2005年11月19日タンペレ・ホールでのライブ収録でBlue Noteからの発売、一番新しいアルバムです。(日本発売5月14日)いやー相変わらずの演奏、もう一言で縦横無尽のプレイとはこのことでしょう。「Final Fantasy」や「Karate」はIiro Rantalaのピアノの独壇場です。危なっかしいくらい走り回ってはいるものの、どこかコントロールの効いたプレイはさすが。北欧独特の硬質で透明な空気感なんて彼らには関係なく7曲目「In a sentimental mood」でさえ、ひたすら熱く迫ってくるのです。「2005年フィンカフェのCaf?新聞では彼らのスタンダード集「High Standard」が朝飯ジャズとして紹介されましたが「High Standard」でクオリティーの高さを証明し、「One Night in Tampere」ではさらに磨きのかかった自由なプレイで真価を発揮したというところでしょうか。いつの日かフィンカフェ・ジャズ・ライブにも登場必至のバンドです。
Iiro Rantalaおじさんはヘアスタイルも短く変わって、ちょっとダイエットしたみたいです。(S.N)

2007年05月29日

New CD_004「JOYSTONE / JIMI TENOR & KABU KABU, With Special guest Nichouas Addo Nettey」

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フィンランド・クラブ・シーンの鬼才(?)Jimi Tenorのニューアルバム「Joystone」です。「Carola」をリリースしたフィンランドの注目レーベルS?hk? Recordings(ちなみに日本語では電気レコード)のPuuシリーズからの発売です。一昨年東京、名古屋の「クラブ・オーロラ」でも登場し、ゆかた(襦袢だったかも?いずれにしてもJimiワールド)姿でプレイ、異才(変人?)ぶりを遺憾なく発揮したのも記憶に新しい大御所DJ、マルチプレイヤーJimi。正直言ってJazzレヴューに入れて良いのか迷いましたが、ま、ボーダレスに行きましょう。
今回は西アフリカ出身のパーカッショニストNicholas Addo NetteyをリーダーとするKabu Kabuとのコラボです。Nicholas Addo NetteyとはBeyond the stars(2004年発売)以来のジョイント、その脇を固めるのはご存知The five corner’s quintetのJukka Eskola, Timo Lassi(あ、Timo君6月にはアルバム発売します、乞うご期待)やフィンランドジャズ界のこれもちょっと異端な重鎮ハーピストIro Haarlaなどかなり豪華。アレンジは全曲、9曲がJimiの作曲ですがアフロビートをベースにこれは完成度が高い。Anywhere Anytimeでメロディアスに始まり時にブラジリアンに、時には乗り乗りアフロビートに、かと思えばHot Baby(4曲目)のようにジャジーに仕上げ、Horror Water(10曲目)では本来のコスミックワールド、Dede(12曲目)はスピリチュアルにと一見ばらばらにも思える個性をJukka EskolaのトランペットとTimo Lassiのサックスをスパイスに見事にJimi風大人フュージョンにまとめました。何よりプレイヤーたちがリラックスして楽しんで演奏しているのを感じるアルバムです。日本でももうリリースになっていますので是非ご一聴を。(S.N)

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